もう1つ、印象的だった授業は、「アメリカの視占慨グローバルニュースの認識と政治」という科目である。

担当のトマス・L教授は、ヨーロッパやアフリカ取材の経験が豊富な報道記者の出身であった。 これも小人数のクラスで、日本人は私1人だが、他に韓国の新聞とテレビの記者が各1人と、フランス人、インド人、ベネズエラ人。
あとの5人ほどはアメリカ人で、ニューョーク・タイムズの記者などもいた。 授業は、世界のニュースをアメリカのメディアが伝える場合の「バイアス」、つまり偏向を分析するものである。
最初の授業で渡されたプリントは、ある日のNの他愛のない記事。 「世界各国の茶の間での、スーパーボールを楽しむスナック」というものである。
たとえばメキシコでは、人々はひどく甘ったるい菓子を食べながら観戦しているとか。 日本のことにも触れ、日本で「カウチポテト」といい議論になってきたな」と言った。
足を引っぱるのを非常に恐れていたが、他のメンバーに助けられて全体の討論にも少しは貢献できたのかもしれないと思い、救われた気分だった。 例えば、さつまいもの乾燥イモを焼いて、ソファーがなくて畳に座ってそれを食べる、といった具合である。

「これ、どう?」と先生がきくと、そのときにいた他の日本人学生が、「確かに日本の家は狭いですが、ソファーぐらい置いてます。ポテトチップだって、アメリカ人と同じのを食べてるんです」と言った。 彼女は、アメリカ人の好むような古い固定観念と現実の日本とのギャップを指摘したのだった。
授業はこのように、単純な「ステレオタイプ」の報道を笑うところから始まって、国際政治上の意図による偏向的な報道にまで及んだ。

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